牧場長のごあいさつ
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目の前に広がる210haの広大な荒れ野を前にして、ここに宝物のような里山の風景のイメージを膨らませたのは2013年の春でした。昭和50年頃までは代々の農家により手入れされた田んぼと林だったこの場所は、40数年の間に、人間の都合で荒れるに任せられ放棄地になってしまいました。
「ここに息吹を吹き込んで、私達の原風景としての豊かな里山の環境を取り戻す策はないものだろうか。未来の子供たちにバトンタッチできる里山をなんとしても作りたい」との思いが募りました。 そして動きました。土地の基盤造成作業に3年、排水工事から切戸盛土工事をすすめるのに2年の歳月を要し、その道のりは生易しいものではありませんでした。 でも譲れない思いがありました。「この地に花畑を作り、木を植えて、美しい里山の景観を創ろう。それをちゃんと続けられる農業をやろう。子どもたちが裸足になって駆け回り、寝ころがり、遊びながら自然との付き合い方を学ぶ。その土地が生み出すものの恩恵を受け、次の世代に繋いでいく、そんな牧場をつくろう。」 そのために、みつばちを相棒にしました。 一方で、みつばちが集めたはちみつや、蜜蝋ろうそくなどのはちみつ加工品、菜の花からは菜種油やせっけん、からし菜からはマスタードなどなど、地域の人たちと協働しながら生産者と消費者をつなぐ農業の形が見え始めています。 みつばちの世界は不思議で、興味深いメカニズムでいっぱいです。 市原みつばち牧場長 中村伸雄 |